Sarah’s Key (English Edition)
Tatiana de Rosnay

第二次大戦時、ナチス・ドイツの占領下にあったフランスで起こったヴェロドローム・ディヴェール大量検挙事件(ヴェル・ディヴ事件)という実際にあった出来事を元に書かれた小説。

【あらすじ】
1942年7月、フランス警察がユダヤ人を一斉検挙した。サラの家に警察が踏み込んで来るところから物語は始まる。サラは連行される直前に幼い弟を「あとで助けにくるから」と戸棚の中に隠れさせて鍵をかけた。すぐに戻れると思っていたが、そのまま収容所送りになってしまう。

一方2002年のパリ。フランス人の夫を持つアメリカ人ジャーナリストのジュリア。流産を乗り越えて授かった一人娘ゾーイとの3人で幸せに暮らしているが、ある日第二子の妊娠が発覚。子供はもう無理だという夫に対して失望する。ヴェルディヴ事件の特集記事を書くことになり取材を続けるのだが、義母のアパートがサラの一家が住んでいた家で、一家が連行されたあとに引っ越してきたことが分かった。

【感想】完全にネタバレなのでご注意を

ユダヤ人迫害については今まで色々なものを見たり読んだりはしてきましたが、フランスでこのような事件があったことは恥ずかしながら知りませんでした。

悲惨な状況が続き、重苦しい内容ではあったけれど、逃してくれた警察官やかくまってくれた老夫婦などの優しい人々の登場に心が救われました。

結局、弟は戸棚から出られずに亡くなっていて、サラはそれを自分のせいだと悔やみ続け、最終的には自殺をしていたという救いのない結末だったけれど、良い作品だったと思います。

ただ、ジュリアの行動は理解できる部分もあるものの、少し行き過ぎている印象でした。ジュリアも反省しているところから、フランス人である著者の中にあるtypicalなアメリカ人像を描いたのかしら…と思ったりも。
後半は「ジュリアのことはどうでもいいから、過去のエピソードに戻ってもらえませんか…( ・ω・)」と思うことしばしば。そのおかげで歴史物の作品という感じがどんどん薄れていった印象があります。
ジュリアの夫に関しては、年老いた父親になりたくないとか抜かすくらいなら避妊しろよ…と、誰もが思うに違いない…。

これはあくまで事実を元にした小説なので、この事件に対して深く理解しようと思えばきちんとした資料で客観的に見る必要があると思いました。

原作はフランス語ですが、今回は英訳されたものをオーディオブックで聞きました。数年前に映画を見た人が良かったとツイートしていたのを覚えていて、Audibleのセール品リストで見つけてしまったのでつい…。
英語はそれほど難しくないと思います。時折フランス語の単語も出てきますが雑な性格なので分からなくても気にせずスルーしてました。

Word: 82,941
Lexile: HL610L

日本語版や映画もあります。

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