【読書記録】2024年2月

2024年2月に読んだ本 11冊 

・「静おばあちゃんと要介護探偵」中山七里 ★3 ※
・「生存者」アレックス・シュルマン ★3.5
・「上流階級 富久丸百貨店外商部」高殿円 ★4.5 ※
・「わたしたちの怪獣」 久永実木彦 ★3
・「殺戮の狂詩曲」中山七里 ★3 ※
・「十の輪をくぐる」辻堂ゆめ★4
・「エレファントヘッド」白井智之 ★5
・「八月の御所グラウンド」万城目学 ★3 ※
・「ヒポクラテスの試練」★3 ※
・「玩具修理者」小林泰三 ★3 ※
・「暗黒の羊」美輪和音 ★3 ※ 
※はオーディオブックです。

今月どれか一冊おすすめするとしたら「エレファントヘッド」です。

以下、簡単な感想です。避けようと努力はしましたが、突然ネタバレもしているので注意してください。

・「静おばあちゃんと要介護探偵」中山七里
Audibleに追加されたので聴いたけれど、シリーズ内の順番を間違えたかも。玄太郎おじいちゃんが元気なのは嬉しいようでちょっとつらい…。軽く読むなら良いけど、それほど続編は気にならないような内容でした。しかし、中山ワールドのお気に入りキャラが出てくるかもしれないと思うとつい読んでしまいます。

・「生存者」アレックス・シュルマン
ヒデミスより。三兄弟の現在からはじまり、過去の思い出と現在が交互に描かれる。現在パートは2時間ずつ遡っていき、過去パートに近づいていく構成。そこはかとなく漂う違和感から、ひょっとしたら兄と弟は死んでいて、 この現在パートは妄想なのでは??と思ったけど違いました。あてにならない私の感覚。

・「上流階級 富久丸百貨店外商部」高殿円
お仕事小説は面白いですね。外商の世界も、一生懸命仕事をする主人公も良かったです。

・「わたしたちの怪獣」 久永実木彦
ヒデミスより。ミステリーというより、SFやファンタジーという雰囲気の短編集で、あまり入り込めませんでした。キラー・トマトの話は観たことがある映画だったので面白かったです。

・「殺戮の狂詩曲」中山七里
大好きな御子柴礼司シリーズなのですが、最初なかなか御子柴が出てこなくて間違えて読んだのかと心配になりました。実際に起った事件がモチーフになっているのはすぐ分かりましたが、この犯人がまた「何言ってんだこいつ???」という感じで上手く描かれています。ただ、最後のオチはそんなに上手くいくのかな…とあまり納得できませんでした。国選弁護人を引き受けた段階できっと医療少年院絡みとは予想していましたが、あの御子柴がずいぶん人間らしくなってきたという印象を超えて、めっちゃ義理堅い人になってきてますね。

・「十の輪をくぐる」辻堂ゆめ
友人のおすすめ。二つの東京五輪とバレーボールを巡る親子三代の物語。それぞれの時代が交互に母と息子の視点で進み、認知症の母親が呟いた秘密が明らかになっていくのだけど、お母さんの過去がなかなかツラい。息子は自分が人と上手くいかない原因を知り、それを改善すべく努力していったのは立派だと思ったけど、見捨てずに支えた家族がすごい。読み終わって良いタイトルだなあと思いました。お母さんだけ辛い思いしかしておらず胸が痛みました。

・「エレファントヘッド」白井智之
途中でどうなっているのか分からなくなって図に書いて整理しながら読んでいましたが、難解で手に終えないというものではなく、考えながら読むのが面白かったです。エログロ苦手な人はだめかも。帯に「絶対に事前情報なしで読んでください」と書いてあるので内容については触れないでおきます。どちらにしても上手に説明もできないけれど。ヒデミスでもないし、友達のおすすめでもなかったので、どこかで書評を読んで気になった作品かと思います。読んだ理由も忘れずにメモしておかねばと反省。

・「八月の御所グラウンド」万城目学
私が面白かったと思った「まいまいつぶろ」を抑えての直木賞受賞ということで読みました。初めて読む作家さん。青春スポーツファンタジーという感じで、新選組が駅伝に出てきたり、死んだはずの人が野球をしに来たりと不思議でした。

・「ヒポクラテスの試練
このシリーズは主人公の真琴があまり好きではないのですが、古手川くんの成長を見守りたいので読み続けています。お願いだから真琴とはくっつかないで…。今回は肝臓がんで死んだと思っていたけど実はエキノコックスの変異体の仕業だったということでアメリカまで調査に飛んで行ってしまい壮大でしたが、オチはウ〜〜〜ンといった感じで消化不良です。児童買春は許すまじ。

・「玩具修理者」小林泰三
小島監督が同じ作家さんの別作品をおすすめしていたので、デビュー作をまず読んでみました。作品よりもまず「こばやしやすみ」と読むことに驚いていました。「たいぞう」かと思ってた。表題作はホラー感もあって面白かったけど、次の「酔歩する男」は、何が正しくて何が本物なのか、どちらの男が正常でどちらがおかしくなっているのか、時間とは?タイムトラベルとは?と哲学的な気持ちになってきてよく分からなくなりました。

・「暗黒の羊」美輪和音
おすすめにでてきたので聴いてみたのですが、続編でした…。途中まで聴いてこれはひょっとして…と思って調べたら思った通り続編。シリーズ物ならもっと分かりやすくして…。これだけ読んでも問題はなさそうですが。なんとなくドラマでありそうな感じ…と思っていたら「着信アリ」の脚本家の方でした。

以上、2月のまとめでした。

エレファントヘッド (角川書店単行本)

十の輪をくぐる (小学館文庫 つ 14-1)